AIアバター動画を作成できるツール「HeyGen」をご存知でしょうか?
HeyGenを使用すると、自身のAIアバターを生成し動画を作成したり、人物画像をアバターに変換して動画を作成することが可能です。
その精度の高さからSNSで話題となっており、ビジネスや教育、エンターテイメントなど、様々なシーンでの活用が期待されています。
しかし、HeyGenを使ってみたいけれど「具体的な使い方が分からない」「いくら料金がかかるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、HeyGenの詳しい使い方から料金体系、AIアバターに日本語を話させる方法など幅広く解説していきます。
ご自身のプロジェクトや動画制作に、ぜひお役立てください!
HeyGenとはAIアバター動画を作成できるツール
HeyGenとは、AIアバター動画を作成できるツールです。
誰でも簡単に自分のAIアバターを生成し動画を作成したり、人物画像をアバター化して動画を制作できます。デフォルトで提供されているアバターを利用して動画を作成することも可能です。
HeyGenを使って作成した動画で、Twitterにも投稿した動画があるので紹介します。
以下のツイートでは、AIアバター動画部分をHeyGenで作成しています。
まるで本人が話しているかのような自然な唇の動き(リップシンク)で、日本語を流暢に話せています。
このように精度の高いAIアバター動画を簡単に作れてしまうのが、HeyGenを使う最大の利点です。
世界中で多くの企業が使っている
世界的に有名な大企業であるAmazon、アクセンチュア、Salesforceを含む多数の企業が、HeyGenを使用してAIアバター動画を制作しています。
プロダクト制作、コンテンツ制作、セールスのプレゼンテーション資料作成など、様々な商用活動で使用されています。
- AIアバターで個性的なビデオを作りたい人
- 自分の声を使わずにナレーションを入れたい人
- 複数言語でビデオコンテンツを提供したい人
- 自社製品にAIアバター動画を統合したい開発者
HeyGenは無料?料金は?
結論から言うと、アカウント作成した時点でもらえる1クレジット分は無料ですが、それ以上の利用のためには有料プランへ入会する必要があります。
こちらがHeyGenの料金体系です。
以下の画像は月額支払いの場合の料金体系で、4つのプランが用意されています。
BisinessプランではCreateプランに比べてチーム共同制作がしやすかったり、より解像度の高い動画を出力できるメリットがあります。
表示されている紫のバーでクレジット数を調整できるため、必要分だけ購入することができます。
以下の画像は年間払いでの料金体系です。
月額支払いに比べて、20%オフで提供されています。
クレジットの消費量は作成する動画時間によって変わります。
30秒の動画を作成するのに0.5クレジットかかります。1分の動画を作りたい場合は1クレジット、1分10秒の動画を作りたい場合は1.5クレジットを消費します。
Freeプラン(無料)でどこまでできる?
現状のHeyGenにおいて、アバターの種類は以下の3種類存在します。
- Instant Avatar:外見を反映しスピーチを模倣するリアルなアバター
- Photo Avatar:アニメやリアルの人物画像を喋らせる写真アバター
- Studio Avatar:4K解像度でスタジオレベルの背景マットで撮影されたアバター
それぞれの種類のアバターに対して、デフォルトで用意されているアバターが120種類以上あります。
HeyGen CEOのInstant Avatarや、モナリザのPhoto Avatarなどが存在します。
Freeプランでは、それぞれの種類で用意されているデフォルトのアバターはどれでも利用可能です。アバターを自作したい場合はPhoto Avatarのみを利用可能です。
また、300以上の言語ボイスもデフォルトで用意されており、利用可能です。
クレジットの消費量は作成する動画時間によって変わります。無料で貰える1クレジットで、作れる動画は1分までとなります。
HeyGenの始め方
ここからは、HeyGenの始め方について初心者の方でも理解しやすいように解説していきます。
右上の「Get started」もしくは、中央にある「Get started for free」をクリックします。
メールアドレス・パスワードを設定してアカウント登録しましょう。
GoogleやFacebookアカウントを用いて登録することも可能です。
アカウント登録が完了すると以下のような画面になります。
これにてHeyGenの登録が完了しました!
HeyGenの使い方
このセクションでは、いよいよHeyGenの使い方について紹介します。
現状のHeyGenにおいて、アバターの種類は以下の3種類存在します。
- Instant Avatar:外見を反映しスピーチを模倣するリアルなアバター
- Photo Avatar:アニメやリアルの人物画像を喋らせる写真アバター
- Studio Avatar:4K解像度でスタジオレベルの背景マットで撮影されたアバター
また、HeyGenでは、AIアバター動画を作る際、2通りの作成方法があります。
- すでに用意されているアバター・音声を利用する
- アバター・音声を自作で作成する
それぞれについて詳しく解説します。
Instant Avatar
Instant Avatarは、外見を反映しスピーチを模倣するリアルなアバターです。
デフォルトで用意されているInstant Avatarは、さまざま存在します。
この中で今回は、「Joshua HeyGen CEO」を利用してAIアバター動画を作成してみます。
動画を作成するには、アバターを選択して「Create Video」をクリックします。
すると動画のエディタ画面に移ります。
ここでAIアバター動画の詳細な設定を作成を行っていきます。
まず、アバターに喋らせたいスクリプト(台本)を設定していきます。
以下のブロックにテキストを入力します。
今回は日本語を入力してみます。
スクリプトを入力したら、音声ボイスがデフォルトで英語が設定されているので変更していきます。
なお、ここで音声のスピードやピッチを調整することもできます。
言語でJapaneseを選択すると、用意されている日本語の音声ボイスが表示されます。
現状では、2種類の音声ボイスが用意されているので、どちらかを選択します。
再生ボタンを押して、音声を聞いてみましょう。(この段階ではアバターは動きません)
問題がなければ、右上の「Submit」を押し、消費されるクレジットを確認して「Submit」を押します。
Videoメニューに作成した動画が表示されます。
完成までに一定時間かかった後、動画を再生できるようになります。
完成した動画はこちらです!
見事にスクリプトに合わせた自然な唇の動き(リップシンク)で、流暢な日本語を話せています。
HeyGenでは、アバターに日本語を喋らせるためにはスクリプトに日本語を入力するだけでOKです!
英語に比べて発音やイントネーションの自然さは劣りますが、それでも非常に有用でしょう。
Instant Avatarを自作する
Instant Avatarを自作するためには、有料プランへの加入が必須です。
非常に分かりやすく解説されているYouTube動画がありましたので、ぜひご覧ください。
動画の24:13〜29:24でInstant Avatarを自作する方法が解説されています。
Photo Avatar
Photo Avatarは、アニメやリアルの人物画像を喋らせる写真アバターです。
デフォルトで用意されているPhoto Avatarは、さまざま存在します。
モナリザのアバターや、ハリーポッターに似た人のアバターがあります。
この中で今回は、「Harry」を利用してAIアバター動画を作成してみます。
動画の作成方法はInstant Avatarを利用した時と同じです。
Photo Avatarでは、選択できる日本語ボイスが4種類あります。
最終的に完成した動画はこちらです!
唇の動き(リップシンク)だけでなく、顔全体の動きや瞬きも行っていますね。
この動画はCreateプランのアカウントで作成したため、右下のロゴが消えています。
Freeプランで作成した動画には、HeyGenのロゴマークが表示されます。
Photo Avatarを自作する
自前の人物画像をPhoto Avatarにして、動画を作成する方法を解説します。
まず、Avatarメニューの「Photo Avatar」をクリックします。
アバターにしたい画像を選択してアップロードします。
今回はミッドジャーニーで生成したリアルな人物画像を使います。
顔認証を経て、アップロードした画像がPhoto Avatarに登録されます。
ちなみにですが、顔部分が無い画像をアップロードすると「Upload Failed」とエラーが表示されます。
ここからは先述したやり方と同様に、動画を作成していきます。
完成した動画はこちらです!
音声に合わせた唇の動き、顔の動きや瞬きを行っており、顔全体や目・口をしっかりと認識できていることが分かります。
しかし、たまに顔が歪んでいるように見えます。デフォルトで用意されているPhoto Avatarに比べて、自作したPhoto Avatarでは多少精度が下がってしまうのかもしれませんね。
Studio Avatar
Studio Avatarは、4K解像度でスタジオレベルの背景マットで撮影されたアバターです。
デフォルトで用意されているStudio Avatarは120以上で、他の種類のアバターに比べてかなり多く存在します。
Avatarメニューで「Studio Avatar」を選択すると、デフォルトで用意されているStudio Avatarが表示されます。
この中で今回は、「Avatar Editing」を利用してAIアバター動画を作成してみます。
Studio Avatarでは、他の種類のアバターと違い服装の変更が可能です。
利用するアバターを選択し、「Edit Avatar」を選択します。
「Outfit」という項目からお好みの服装を選択することができます。
おそらく、それぞれ撮影されて用意されているものなので、髪型も変わりました。
選択肢にない服装を着せたい場合は、生成することも可能です。
「Outfit」という項目の「Generate」をクリックします。
すると、チャット画面が表示されるので、着せたい服装について伝えましょう。
今回は「Red short-sleeved T-shirt」(赤い半袖のTシャツ)と伝えてみました。
すると、服装の候補がいくつか生成されて表示されます。
気に入った服装にチェックマークをつけて、「Save」をクリックします。
すると、チェックマークをつけた服装が「Outfit」の選択肢に追加されました!
せっかくなので、今回はこちらの赤いTシャツのアバターで動画を作成してみます。
動画の作り方に関しては、今までと同様です。
スクリプトを登録→音声ボイスを選択→Submitという流れですね。
完成した動画はこちらです!
喋っている時の表情がとてもリアルでAIであることを忘れてしまいそうですね。
Studio Avatarを自作する
Studio Avatarを自作するには、Enterpriseプランへの加入が必須です。
Enterpriseプランは企業向けのプランで、加入希望の場合はHeyGenに直接お問い合わする必要があります。
なお、Studio Avatarを作成するには、プロフェッショナルなスタジオ環境で撮影した素材を送信することが求められています。
他の種類のアバターに比べて、高いクオリティとリアリズムを実現するため、精密な撮影技術と質の高い機材が必要なようです。
私は個人で利用しているため、Studio Avatarを自作できませんが、HeyGenを導入している企業は高品質なStudio Avatarを自作して商用活動へ利用しているのでしょう。
豊富なテンプレートが存在
HeyGenには、300を超えるAIアバター動画のテンプレートが用意されています。
非常に多種多様なテンプレートが揃っているので、これらを利用することで迅速に高品質な動画を完成させることができます。
テンプレートを基に、独自のカスタマイズを加えることもできるため、オリジナリティの高い動画を作成可能です。
ディープフェイクで顔を変更する
HeyGenでは、アバターの顔部分をディープフェイク変換できる機能があります。Instant AvatarまたはStudio Avatarに対して行うことができ、FaceSwapというソフトウェアが使われているようです。
今回はHeyGen CEOのInstant Avatarをディープフェイクで顔変換してみます。
まず、変換したいアバターを選択して「Edit Avatar」をクリックします。
すると編集画面に移ります。右メニューにあるFaceSwapから顔を選択すると、ディープフェイクでその顔に変換できます。デフォルトでいくつかの顔が選択肢として用意されています。
用意されている中から試しに1つ選んでみました。見事に顔部分が自然な感じで変換されていますね。
また、自分で用意した顔画像に変換することも可能です。FaceSwap内にある「Upload」から該当の顔画像をアップロードします。画像内の顔認証に成功すると、選択肢の中にアップロードした顔が並ぶので選択しましょう。
ビデオ翻訳機能で動画音声を翻訳する
HeyGenには、動画音声を一発で翻訳してくれる「ビデオ翻訳機能」が存在します。
この機能を使えば、動画を高い精度で多言語に翻訳可能です。
この機能を試しに使ってみようと思います。
以下の動画は英語で話されているAIアバター動画ですが、こちらを日本語に翻訳してみましょう。
以下のサイトにアクセスし、該当動画をアップロードします。「Choose target language」は「Japanese」を選択し、「Number of Speakers」は「1」を選択します。
https://labs.heygen.com/video-translate
数分待った後、動画を閲覧できるようになります。
最終的にこちらの動画が完成しました!
見事に日本語に翻訳されていますね。一発で、しかも簡単にここまでの精度の翻訳を行えてしまうのはかなり驚きです。YouTubeのリンクを用いて動画内容の翻訳を行うことも可能なようです。
間違いなく、使い方次第で活用の幅が広がる革新的な機能ですね!
外部ツールと連携可能
HeyGenでは、外部の音声生成ツールや編集ツールとの連携が可能です。
それぞれ解説します。
音声生成ツールとの連携
IIElevenLabsやLMNTといった音声生成ツールと連携し、統合する方法です。
まず、Voiceメニューから右上の「Integrate 3rd party voice」をクリックします。
外部の音声生成ツールで発行したAPI Keyを入力し、「Confirm」をクリックしましょう。
編集ツールCanvaとの連携
有名な編集ツールCanvaと連携することも可能です。
Canvaと連携することで、Canvaの編集画面でHeyGenで作成したアバターを利用することが可能になります。
公式より、連携方法に関する動画が上がっていたので紹介します。
HeyGenにはAPIも存在
Bisinnesプラン以上の加入で、HeyGenのAPIを利用できるようになります。
APIを介して自社サービスにAIアバター動画を統合することで、様々な活用の幅が広がりそうですね。
HeyGenのAPIではストリーミングアバターの利用も可能で、リアルタイムでAIアバターと音声会話を行ったり、テキストメッセージをAIアバターが答えてくれるといった使い方ができます。
ストリーミングアバターは以下のリンクから試すことができます。
https://labs.heygen.com/streaming-avatar
現状では、日本語はあまり上手に話せないようです。。
HeyGenのAPIについて、開発者向けの仕様書がまとめられたページがあります。
チュートリアルも用意されているので、APIの使い方を理解しやすいでしょう。
https://docs.heygen.com/docs/quick-start
HeyGenは商用利用できる
結論から言うと、HeyGenで作成した動画は商用利用できます。
しかし、1点だけが必要な点があります。
Freeプランで作成した動画の場合、右下に以下のようなHeyGenのロゴマークが入ってしまいます。
ロゴマークがついていない動画を生成したい場合は、有料プランに入ることをオススメします!
まとめ
今回は、AIアバター動画を作成できるツール「HeyGen」について解説してきました。
HeyGenは、世界中の多くの企業が利用しており、AI技術を活用したアバター動画作成ツールです。無料のFreeプランから始められ、様々な機能を利用することができます。
HeyGenの始め方や使い方に関しては、簡単でアクセスしやすい点が魅力です。特に、Instant Avatar, Photo Avatar, Studio Avatarの3つの異なるアバター作成方法があり、用途に応じて最適な方法を選ぶことができます。加えて、豊富なテンプレートやディープフェイク技術を用いた顔変更機能、動画音声のビデオ翻訳機能など、高度な機能を備えていることから、多様なニーズに応えることができるでしょう。
また、外部ツールとの連携やAPIの提供もあり、より幅広い用途での利用が想定されます。これらの特徴から、HeyGenはビジネスだけでなく、個人のプロジェクトにも強力なサポートを提供できるツールです。その可能性を自分のプロジェクトやビジネスにどのように活かせるかを考えてみてください。